趣味のアマチュア無線で活躍する測定器の一つに周波数カウンターがあります。
アマチュア無線を始めた1970年代は、アマチュア無線の周波数の校正と言えば10MHz、JJYへのゼロビートでした。
現在、10MHzのJJYはとっくに無くなっているし、周波数の測定精度も桁違いに良くなっています。現在使用している周波数カウンタも恒温オーブンを持った9桁表示のものです。10Mhzを測定するとゲートタイムを長く取れば0.1Hz単位まで表示します。
しかし、このような精度の周波数を校正する手段がありませんでした。
そこで現在、中国に住んでいるという事もあり、BG7TBL が販売しているGPSDO(GPS Disciplined Oscillator) を購入しました。高精度な10MHz信号でカウンターを校正できれば、無線機だけでなくSSGの周波数も高い精度で確認できます。
購入した製品はGPSDO本体の他に電源アダプターとGPS外部アンテナのセットで、送料込み998元でした。日本円で16,000円弱です。日本国内で購入するより、送料分安価な程度でしょうか。
フロントには液晶のみ。リアにはSMAのGPSアンテナ端子、電源の他に、1PPSと10MHz出力のBMCコネクタ。本体との通信と1PPS出力用のシリアル通信(RS232)コネクタ。動作状態を表示する3つのLEDが付いています。
GPSアンテナを接続してアンテナをベランダから外に出し、電源を入れるとGPS電波の受信を開始します。
GPSの電波を受信し、同期がとれるまでは"GPS NO FIX"と表示されます。
この時、リアにある赤色のALM(アラーム)が点灯します。次にGPS電波を受信してロックすると真ん中にある緑色のGPS LOCKが点灯します。GPSにロックしてPPSの出力を開始すると一番下にある緑色のRUN LEDがPPS信号に同期して点滅を開始します。
この状態で表示されている時刻(初期値はUTC)が調整され、GPSDOはGPSの信号に同期するようにOCXOの周波数調整を開始します。GPSDOの周波数が基準となるGPSからの信号に対して一定の範囲内になると、何らかの異常、故障が無ければALMが消えて、GPS LOCK(緑)が点灯、RUN(緑)が点滅という状態になります。
しばらく周波数を調整する時間が続きます。とは言っても、液晶に表示されている周波数を見ると、なんか、もう十分な精度に思えます。
最初に電源を入れてから25分から30分程度で 10000000.0000Hz の表示になりました。この後もまだふらつきます。ずーっと見ていた訳ではありませんが、半日もすれば、ほぼ、落ち着きました。
内部はメイン基板と液晶表示部の2枚基板です。OCXOはTrimble の 型番:73090 が使われていました。中古で中国国内では30元(約470円)程度で販売されています。
出力端子のあるリアパネルの裏に、スペックの一部が記載されていました。
1PPS 3.3Vpp
10MHz sine +20dBm
RS232 9600bps
GPS ANT 5V
オシロスコープのFFT機能で10MHz出力を確認してみました。基本波に対して3次高調波は-40数dB程度。信号の純度は高くないようです。